ヘルシーハット 社長の三田久美です。
皆様からの電話が繋がるようになり、励ましの言葉を頂戴し心より感謝申し上げます。「うちの子はヘルシーハットがなければ、生きてこれなかった。頑張って」などと声をかけていただきつい涙ぐんでしまいます。多くの皆さまの声を聞いて、励まされ元気をもらっています。
当社のお客様でも、津波に被害を受けた宮古、釜石、大船渡、陸前高田、気仙沼、南三陸、石巻、東松島、塩竃、多賀城、仙台、名取、岩沼、亘理、山元から福島浜通りにいたるまでの沿岸部にお住まいの方も多くいらっしゃいます。連絡がとれず、本当に心配です。皆さまのご無事を祈っております。
▼これまでの経緯と、現状を少しお知らせさせていただきます。
まずは、お店のスタッフは全員無事でした。お店も工場も建物は倒壊せずにすみました。
私自身は6階にある事務所で会員向けの情報ブックを作成中でした。従業員の柳井が1階のお店からエレベーターで6階にやって来てパソコンの前に座ってまもなく、小刻みな揺れが始まり、横揺れが大きくなってきたので、ストーブを消し、大きな机の下に柳井に引っぱられて入りました。机が浮き上がり左右に揺れながら長い激震を耐えました。「ここで死ぬかもしれないね!ビル崩れるかなぁ?恐いーっ!店に降りられるだろうか?」 などと言いながら机の上に本棚や食器棚、レンジ等々ガンガン落ちてくる音を聞きながら5~6分過ぎたでしょうか、少し静まった瞬間に下に降りようと机から出ると、部屋の中は足の踏み場もない状態でした。ブレーカーを落として階段でお店に降りました。
お店はほとんどのビンが倒れたり、物が落ちたり、棚がだいぶ動いていましたが、買い物中のお客様も全員外に出て無事でした。
お店のスタッフは無事だったので、大急ぎで工場に走りました。工場も揺れはひどかったものの、5人のスタッフは無事でほっとしました。700kgを越す重さのシュウマイ機が1m近く動き、ものもだいぶ落ちたり倒れたりしましたが、運良く揚げ物もしておらずほっと胸をなで下ろしました。大量の春巻きが焼き上がって出てきたばかりでしたが、捨てるのももったいないからと、あわてて大袋に詰めそれぞれ自宅に持って帰りました。
私の住んでいるマンションは損傷がひどく戻れません。化学物質過敏症(CS)の私がやっと見つけた住まいでしたが、補修ができたとしてももうそこには住めないので今後どうなるのかは神のみぞ知る、です。
地震当日は車2台で一夜を明かしましたが、余震がひどくあまりねむれませんでした。翌日以降は、電気が復旧したのでお店にブルーシートをしいて寝ています。
翌朝(3月12日)、何とか商品棚などをもとにもどし割れた商品などを片づけました。この日の夕方に、電気が復旧したので冷凍品の商品は運良くほとんど溶けることはありませんでした。この日から、暫定的にお店を開け食物アレルギーでお困りの方を対象に商品の販売をはじめました。当社ではお総菜やパン、スイーツなどを幅広く自社製造しており、冷凍倉庫には2坪分在庫があります。中には11日に出荷するために送り状を貼られているものもたくさんありました。お届けできなかったお客様には、本当に申し訳ございません。みなさまに送るべき食材で、仙台のアレルギーの方たちが助けられることになってしまいました。お店に来ることのできたご家族には、何でも手に入り本当に助かったと喜ばれました。
また、ヘルシーハットは、アレルギーの会全国連絡会の仙台における支援拠点ともなり、アレルギー支援ネットワークより届けていただいた支援物資も13日夜に届きました。みなさまのご支援に感謝いたします。
今、一番困っていることは(私たちだけではなく一般的に)、ガソリンがまったく手に入らず、ヘルシーハットまでくることが難しいということです。当然私たちが配達することもできない状況です。何とか配達できないかと思い、災害支援従事車両の許可も取ったのですが、それでもガソリンがなく手に入りません。
一番支援を必要としているの方たちは、避難所生活を余儀なくされていたり、家をなくして着の身着のままの生活をしていたり、という方々です。いくつかSOSの連絡も受けるのですが、道も寸断されており支援が大変難しい状態です。
沿岸部は仙台市も含め想像を絶する被害ですが、倒壊や津波の被害の少ない仙台市内陸部でも、ライフラインが復旧するまでには早くても1ヶ月から2ヶ月かかると言われております。昨日(3/14)から、下水の処理施設が津波を受け壊れたまま回復する見通しが立たないため、生活排水、汚水を流さないようにとの広報がありました。仮に、物資輸送等が回復してきても、当面通常の店舗運営には戻れそうにありません。工場での製造も復活できる見通しがたちません。
当社は地方発送のご利用の占める割合がかなり高いため、これができないのは大打撃です。追い討ちをかけるように、福島原発の事故も深刻で、この先どうなるのかの見通しもたちません。原発は私たちの力ではどうしようもありません。
もし1ヶ月通常の営業ができない状況が続けば、会社の運営を継続することは困難になることは目に見えています。25年、アレルギーの方たちとともに歩み、全国でも数少ない店舗持つアレルギーの専門店として頑張ってきました。使用できる食材に制限があっても、美味しい物を食べてもらいたい一心で、たくさんのオリジナル商品を作り、3年前には外食のできるカフェも作り、遠方の方々にもご来店いただいておりました。当店がなくなるとまだまだ困るご家族もいるのではないかと考えると、何とか続けていかなければいけないだろうと思っております。
大変厚かましいお願いではありますが、復興できるまで長く時間がかかることが予想される中、今後もアレルギーの患者家族を支援していくために頑張って営業を続けていきたいと思いますので、みなさまのご支援をいただきたく支援金をお願い申し上げます。
2011年3月15日
有限会社ヘルシーハット
取締役社長 三田久美
(銀行からは ゆうちょ銀行 二二九支店 (当座)0021887 有限会社ヘルシーハット
●ジャパンネット銀行 本店営業部 (普通)2127471 有限会社ヘルシーハット